優れた紙の材料
[ガンピ]
最近、字を手書きする事が少なくなって来た。PCのせいだと言ってしまえばつき並となってしまうが、漢字等もお陰さま??でどんどん忘れてしまう。読むのは何とかある程度難しい漢字でも読めるのだが、書くとなると誤字だらけや全く書く事が出来なくなっている。少し、手で書く習慣も付けて置かないとと反省している。手紙なども書かないので、便せんも何処かへ行ってしまった様で、従って現在手持ちの紙と言えばワ−プロ用紙しか持っていない。本日は紙の材料の植物に付いて書いて置こう。
雁皮紙と言う言葉は知っていたのだが、その材料となるガンピと言う樹木を始めて見た。先日、広島県廿日市市大野町に有る自然観察の森を歩いたのだが、その折に管理棟に行くまでの通路やマンサク湖と言う小さな湖の周りの遊歩道に有った。この遊歩道の樹木に、ガンピと名札がかかっていた。ジンチョウゲ科の植物だとも記載されていたから、小さな黄色の花が咲いていたので花の匂いが、ジンチョウゲの様な香りがするのかと思って匂いを嗅いで見たが、残念ながらジンチョウゲの様な匂いはしなかった。鼻が悪いのか無臭と言う方に近かった。
そして、散策しながら、ガンピ、ガンピと頭の中で繰り返して居ると、雁皮紙の事を思い出した。昔、父が絵を描く紙に雁皮紙を使っていたのを思い出したからで有る。その材料となる木だろうと思い、帰宅して植物辞典で調べて見ると間違いなく雁皮紙の材料となる落葉樹木で有る事が分かった。
手すき和紙として昔から、コウゾ(楮)、ミツマタ(三椏)、ガンピ(雁皮)が使われて来たのだが、雁皮の繊維は細くて長いので、紙に漉いた時に強靭なものが出来ると言われ、更に光沢が有り、虫もあまり付かないと言う性質が有るとの事で有る。しかしながら厚いものは作り難くて、薄い透ける様な紙が作られていた様であるが、近年は色々なものと混ぜ合わせて厚手のものも作られている様だ。
ただ、原料のガンピが栽培するには難しい等のことから、自生のものを採取しているのが現状で、生産性は非常に低くて、現在は、雁皮紙は価格の張る高級紙としての位置づけかも知れない。
古来、紙にした時に、墨等との相性が良く、墨もニジミが少ないと言う事や、防虫効果が有る等の理由から、経典の写経用、手紙用、日本画用紙、等に使われて来たとの事で、父親が何故持っていたかが、分かった。父は西陣織の下絵師で有ったので日本画風のデッサンや日本画も描いていたかoら、この紙を使ったのであろう。
雁皮紙の生産地で有るが、近畿では近江和紙(大津市)、千種和紙(兵庫県宍栗市)、名塩雁皮紙(兵庫県西宮市)、北陸では加賀雁皮紙(石川県金沢市)、中国地方では、雁皮紙単独ではないのだが、出雲民芸紙(島根県松江市)、斐伊川和紙(島根県三刀屋町)等で作られている様で有る。手漉きと言う事もあってか規模は小さい。
全国の和紙生産地は多いのだが、年々規模が小さくなり昔ながらの手漉きを継承する人達も少なくなって来ている。観光地等に行くと、手漉き和紙の体験コ−ナが有り和紙を漉き小さな紙にしてくれる所があるが、大体はコウゾやミツマタ等を使っている。二度ほど体験した事が有る。家族で南阿蘇方面に旅行した折、娘がやりたいと言うので、阿蘇山麓の白川水源のお土産品売り場の所と、新見市方面へ旅行した折に、岡山県の新見市神郷町に有る紙の館でハガキサイズの小さなものを漉く体験をしたが中々難しいもので有ると思った。ましてや大きな生産紙を作るとなると力も居るし、水仕事等で有る事から継承者は少ないだろうし、需要も大きく無い等から伝統産業として伝承して行くのは大変で有ろう。
全体の姿
ガンピはジンチョウゲ科の落葉低木で有る。樹高は大きくても3m位で、樹木の皮が紙の材料として使われる訳で有り、木を刈って、皮を剥ぎ、煮沸して柔らかくなったものを叩き繊維状とした後、水に晒して漂白した後に漉く。樹木の幹の色は褐色に近い。花は、丁度今頃、枝先に萼のみから構成される四裂した黄色い花を付ける。枝の方向は筒状となりやや白い。オシベは8本有るとの事だが写真では半分位しか見えて居ない。
花の拡大
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ガンピ
ジンチョウゲ科ガンピ属
Diplomorpha sikokiana
本州の静岡県以西から四国、九州北部迄に分布する落葉低木。雁皮紙と言うものが昔作られていたのだが、その原料となった。但し、栽培は難しくて山野に有るものを紙の材料にしたと言う事で有り奈良時代の頃から紙の材料として使われ、遣唐使として唐に渡った最澄がお土産として持参した等、当時としては先進国で有った唐へ持参できるほどの高い評価された紙で有った様で有る。





